電気工事の豆知識【ブレーカー編】②

今回は、前回に引き続きブレーカーの必要性について書きます。

1)電線がショート(+と-が接触)した場合に電気を止める。
2)漏れ電流を感知した場合に電気を止める。
3)電気の使用容量を超えた場合に電気を止める。

それでは、1と2の項目について詳しく説明します。

 1)についてですがショートすると大電流が流れ、高温の熱源となり火災の原因となります。
イメージとしては、ショートの熱源を利用して鋼材を溶かし接着する溶接機をイメージしてもらえれば分かりやすいかと思います。
なので、ショートをしたらすぐに電気を止める必要がある訳です。
私の体験談として、私がまだ現職について間もない頃でした。電気工事を行っている時、コンセントを抜いたはずの電線をペンチで切った瞬間、あまりの眩しさで目の前が一瞬真っ白になり家中の電気が消えていました。何事だと手元を見るとペンチの刃に穴が開いていました。他の作業員によってコンセントが差されており、私が+と-を同時に切断した為ショートしていました。その時、初めて電気の怖さを知りました。
一瞬で鉄を溶かしてしまう程の高温であるが故に、ショートをしたらすぐに電気を止める必要があるのです。

 2)は、漏電ブレーカーのみが感知できる機能であり、第一の目的として感電から人の命を守るために必要とされています。
体験された方も居ると思いますが、湿気のある場所・屋外・水回りの電気配線および電気製品等を触った時に『ビリビリッ!』と来るのが漏電の証です。
まだ、ビリビリで済んでいるときはいいのですが、漏れ電流が大きくなりますと場合によっては命に係わる事があります。なので、基本的に漏電ブレーカーで人命に支障がない内に電気を止める事が必要であります。
然しながら、これがよく問い合わせのあるブレーカーが落ちる原因ともなっています。建物や電気器具等の老朽化により雨漏りや浸水が原因となり漏電し、ブレーカーが作動しているのです。
なので、漏電ブレーカーが作動した場合は、原因箇所の調査が必要になります。簡単に判る時もあれば1日かかる事もあります。

続きは、次回のブレーカー編最終回で説明します。